アラ還オヤジの備忘録

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“空気を読む” のは日本独自のカルチャーか?


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外資系の会社に入ると、時にカルチャーギャップのトレーニングに参加させられることがある。外国本社としては、日本人に“グローバル”な考え方や立ち振る舞いを理解し、また、そのような環境になじんでほしいということなのだろう。

 

一方、海外の(外国人の)同僚に聞いたところ、日本でのビジネスに関与する外国人に対しても、同様にカルチャーギャップのトレーニングがあり、日本人の考え方・立ち振る舞いを学ぶのだという。いずれにせよ、根底には、“日本人は自分たちと考え方が違う”という意識が欧米人にはあり、日本人とうまくビジネスとするには、その違いを互いに理解する必要があるということのようだ。

 

そんなトレーニングの中で、よく出てくるのが、“日本人は自分の意見を明確に主張しない”、“会議ではっきりと自分の意思を表明しない”、“根回しをした後でないとモノが決まらない”というものだ。根回しについては、ご丁寧に“Nemawashi”と英語表記し、さらに訳語として“Consensus-building”と説明されていたりする。

 

しかし、本当にそうなのだろうか?

 

私自身の外資系企業の経験を振り返ると、会議の席で外人同士が自らの主張を振りかざして“バトル”を繰り広げるという場面に、実はほとんど遭遇したことがない。というか、むしろ日本人同士の会議より、よほど穏やかなんじゃなかろうか、と感じたりする。互いの意見を尊重し、「確かにそういうところもあるね」と認め合いながら、落としどころを探っていくようなケースが(少なくとも私の経験では)ほとんどだった。

 

一方、内資系企業では、結構参加者同士がヒートアップし、しまいには収拾がつかなくなる、というケースをあったように思う。

 

これはあくまで私自身の印象だが、日本人が外国人の前で自らの意見を明確に述べないのは、日本人のカルチャーというよりは、“language barrier”の要因のほうが大きいのではなかろうか。

 

そんな中、手にして、「確かにそうだよね」と腹落ちしたのがパトリック・レンシオーニの「あなたのチームは、機能してますか?」(原題:THE FIVE DYSFUNCTION OF A TEAM)だ。

本書では、「危ない組織の5症状」と、それに対する処方箋を物語仕立てで紹介しているのだが、何とその“5”症状の最初の症状の事例として紹介されているのが「意見は一致していないのに(会議で)議論が起きない」ということなのだ。

 

要するに日本人でなくても、或いは日本人以上に、外国人も、会議の場で同僚の意見に明確に異を唱え、論争を喚起することに対して躊躇を感じているのだ。

 

本書については、もう一つエピソードがある。ある年、私が勤務していた会社の年次総会がフロリダで開催され、世界各国のカントリーマネージャーや、本社のシニアマネージメントが一堂に会したのだが、その際に全参加者に本書(の英語版)が配布されたのだった。