アラ還オヤジの備忘録

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海面温度を下げるには


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近年、”100年に一度”レベルの災害が毎年発生している。今月初頭に日本を襲った台風10号は、幸いなことに事前の予想を下回る勢力で九州近海を通過していったが、初めのころを予報では、中心気圧920ミリヘクトパスカル、最大瞬間風速75mという、とんでもない勢力だった。なぜ、そんなことになるのか。気象庁の説明では、台風の発生する海域の海面温度が原因という。”海面温度が高い”という話はここ数年、良く聞かれるようになったトピックだ。テレビニュースの天気予報のコーナーに出演する天気予報士の方々の口からも、台風情報の際には、必ずと言っていいほど、このワードが飛び出す。地球温暖化問題が議論されるようになってから久しいが、海面温度が高いことが原因で台風がこれまで以上に発達するというなら、その状態が改善されない限り、今後も10号レベルの台風の発生は、覚悟せねばなるまい。

 

地球温暖化の主原因は、二酸化炭素等の温暖化ガスである。その排出を抑制することは、結果的には海面温度を下げるのに有効だろうが、その道のりは、かなり長そうな気がする。たとえ二酸化炭素の排出をゼロにしても、すでに排出された温暖化ガスの影響がなくなるまでには時間もかかろう。それまでの間、毎年、10号レベルの台風の恐怖に晒され、また、被害を受けるというのではたまらない。何とかできないものだろうか?

 

そんなことを、つらつらと考えていて、まず思いついたのは、「海面の熱エネルギーを別のエネルギーに変換することで、温度を下げられないか」ということだ。誰かそんな研究をすでにやっていないかとググってみると、ありました。何と、世界に一つだけ、現在稼働しているプラントがあるという。しかも日本に!くわしくは佐賀大学海洋エネルギー研究センターのウェブサイトをみてほしいが、随分と研究が進んでいる印象を受けた。これなら、もしかしたら、海面温度を下げることも可能かもしれない、そんな期待を抱かせるものだった。もちろん、そのためにはとてつもなく大きなプラントが必要だろうが、こういう研究にこそ、国は予算を投入すべきだし、是非そうしてほしいと心から思わずにいられない。

 

つらつら考えるついでに、続けて思ったのは、海の上で発電した電力をどうやって陸地まで運ぶのかということ。頭に浮かんだのは”超伝導”。電気抵抗がなければ、ロスなしで蓄電できるのではないか。その昔、国会で超伝導のデモンストレーションが行われたりしていたが、その後どうなったのだろうか。”ロスなし蓄電”は、太陽光発電のような他の自然エネルギーの活用にも必要と思うが。という訳で、再度ググってみると、こちらもありました。今度は山梨。公益財団法人鉄道総合技術研究所というから、やはりリニア関係のようだが、内容を見てみると、どうも自分が持っていたイメージとは違う。こちらは電気エネルギーを運動エネルギーに変換ですか…。悪くないと思うが、洋上発電された電気を運動エネルギーに変換して、それを波に揺られながら運んでも大丈夫なのか。素人発想からしても、若干の心配がある。それなら、水素はどうか。海洋温度差で発電した電気で水素を作って、燃料電池の原料にした方が現実的に思える。洋上運搬でも問題なさそうだし。

 

いずれにせよ、台風発生~発達海域に洋上発電プラントを設置し、そこで得られた電力で水素を作り、さらにそれを陸地まで運ぶという一連の工程を実現するには、とんでもない規模の設備(予算)が必要だろう。環境問題としたら、環境省が担当か。環境大臣は、最近は以前に比べ露出が少なくなったように感じるが、是非頑張ってほしいと思う。或いは、災害対策や産業振興の側面があることを考えると、他の省庁とも足並みをそろえる必要があるだろう。行政改革相にも、省庁間の縦割り解消と連携に、大いに力を発揮してほしいところだ(環境省単独では予算も限られるだろうし)。

 

台風の心配から、ついつい妄想が膨らんでしまった。あくまで素人の一市民による独り言なので、専門家の皆さんからのツッコミ等は、どうかご勘弁を。