アラ還オヤジの備忘録

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Go To Eatの“Why”は何か?


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皆さんはGo To Eatキャンペーンを利用しましたか?私は残念ながら、まだ利用していない。そもそも新型コロナウイルスが流行する前も、あまり外食する機会が多い方ではなかったのに、コロナ禍での「不要・不急の外出は控える」生活スタイルがすっかり板についてしまったものだから、ここに来て急に「外食に出かけましょう!」と言われても、なかなか足が向かないのだ。

 

テレビのニュースを見ていると、「トリキの錬金術」やら、「無限くら寿司」やら、いろいろ“活用方法”があるようだが、そもそも鳥貴族には行ったことがないし(焼き鳥には一家言あって、贔屓にしている店が別にある)、回転ずしは近所にある別のチェーン店を専ら利用している。毎日の新規コロナウイルス感染者数は減るどころか、むしろ増加傾向にある今、ポイントがもらえるからと言って、敢えてこれまで利用したことのない店にまで足を延ばしてみようとは、残念ながら、思わないのだ。逆に言えば、自分がこれまでよく利用している店がキャンペーンの対象であれば、「それなら、ちょっと行ってみるか」ということになるのだが、何故か自分がよくいく店に限って、対象にはなっていない。チェーン店ではなく、家族経営でやっているような小さな店が多い。グルメサイトとも縁遠い雰囲気だ。と、ここまで書いて、ふと思ったのは、「本当に今困っているには、グルメサイトに出稿しているような大手チェーン店よりも、家族経営でやっているような店の方なんじゃなかろうか」ということだ。

 

Go To Eatキャンペーンの制度設計には、批判も多い。グルメサイト運営会社を儲けさせているだけだという声もある。「無限くら寿司」について、農林水産省はマスコミの取材に対して、「制度上なんの問題もありません」と答えたそうだが、制度そのものに問題があるのであれば、「制度上、問題ない」との回答は、ナンセンスとしか言いようがない。「キャンペーンは、使いたい奴が使えばいいのだから、使わない奴は文句を言うな」と言われるかもしれないが、キャンペーンに使われている金は、もとをただせば国民が支払った税金だ。農林水産省の官僚たちが、自腹を切ってやっているなら文句はないが、自分が払った税金の使い道について、意見を述べるくらいの権利はあるだろう。

 

さて、私の意見である。農林水産省の官僚たちに、まず言いたい。サイモン・シネックの「WHYから始めよ!」(原題:Start with Why)を読んでみろ、と。

サイモン・シネックの主張はTEDでのプレゼンテーションでも有名なので、ここで詳しく説明することはしないが、本書の中で、例えば彼はAppleを引き合いに出し、数多あるmp3プレーヤーや、HPやDell等の大企業がひしめくラップトップコンピュータ市場で、何故Appleが特別な存在になれたのか、理由を次のように説明している。

「他の企業が“What”、すなわち自分たちが“していること”から考え、行動しているのに対し、Appleは“Why”、すなわち、自分たちがそれをする“理由”からスタートしている」と。

 

Go To Eatキャンペーンを見たとき、確かに、飲食店への“送客を増やす”ということは達成されているだろう。しかし、それはサイモン・シックの言う“Why”に当たるのか?私の考えは“否”である。ここで出発点として考えるべきWhy(目的)は“本当に困っている飲食店を救済するため”であるべきだ。その意味で、Go To Eatキャンペーンは残念ながら、Apple 以外の企業が制作する広告“キャンペーン”と同様、駄作(策)と言わざるを得ない。

 

「そんなことを言うなら、お前がキャンペーンを考えてみろ」と言われるかもしれないが、残念ながら、私は農林水産省の官僚たちのように情報を持っている訳でもないし、考えつくことはたかが知れている。また、中央省庁の官僚ともなれば、“地頭”もよかろう。ここは、専門家にまずは本書を読んでもらい、是非“Whyから始めた”政策を立案、実行してもらいたいものだ。