アラ還オヤジの備忘録

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“第三波”とスーパーコンピュータ


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やっぱり来たか、第三波。昨晩のNHK“NEWS きょう一日”によると、昨日(11月13日)は、全国で合計1705人の新型コロナウイルス感染が発表され、過去最多となった12日をさらに上回ったとのこと。

 

当然と言えば、当然だ。Go To トラベルにGo To Eatと、政府は感染リスクを“増大”させる施策にご執心な一方、リスクを“低減”させる施策については、ここ数ヶ月の間、一切手を打ってこなかった。減る要素がないのだから、患者数が増えるのは当たり前だ。「強い警戒感を持って注視」などと言えば、聞こえはいいが、要は、ただ“眺めていただけ”だ。感染者数を抑えるための具体的なアクションは一切ない。企業であれば、会議の席で「強い警戒感を持って注視した結果、何もしなかったので業績が下がりました」などと宣う阿呆がいれば、即クビだが、政治の世界は違うようだ。

 

そもそも、コロナウイルスについての日本政府から国民に対するアナウンスメントは、最初から首をかしげるものばかりだった。2月頃に盛んに言われていたのは、「“正しく”怖がりましょう」というキャッチフレーズと共に、「マスクは予防には効果はありません」というものだった。あたかもマスクを買い求める国民に、「マスクをするのは愚かなことだ」と言わんばかりの勢いだった。

 

それが今はどうだろう。マスクをしなければラーメン屋にも入れないご時世だ。日本が世界に誇るスーパーコンピュータ「富岳」も、マスクをした場合としない場合とで、咳をした際の飛沫の飛び方、さらにはマスクの材質毎の特性まで計算し、テレビニュースでも盛んに取り上げられている。正直に言うと、「あれをスパコンで計算する必要があるのかなぁ」とも思う。咳をすれば飛沫が飛ぶのは当たり前、詳細まではわからなくとも、向かいの家に住むおばあさんに富岳と同じ質問をしても、似たような答えを聞けそうだ。要は、富岳が出した結果は、日本人の「常識」と大きくは変わらないのだ。その一方、なんとなく「常識」と思っていたことに、富岳が「お墨付き」を与えたという意味は大きいかもしれない。2月のように、テレビニュースで専門家(?)が「マスク不要論」を唱えたところで、「富岳もマスクが有効と言っている」となれば、皆マスクをするのだ。風邪が流行ればマスクをするという、新型コロナ前からの日本人の「常識」を富岳が取り戻してくれたのだ。

 

話は変わるが、東アジア各国の新型コロナ感染状況を調べてみた。出典はジョンズ・ホプキンス大学作成のダッシュボード。11月14日午後1時29分のデータだ。(一日当たりの数字は11月12日分。)

 

感染者数累計

死亡者数累計

一日の感染者数

一日の死者数

日本

115,360

1,864

1,644

7

中国

91,807

4,742

31

0

韓国

28,338

492

191

1

台湾

597

7

5

0

6月、欧米で感染拡大が収まらない一方、日本が第一波を乗り越えた際、その理由に「民度」を挙げた政治家がいた。では、現在の東アジア各国の中で、日本の一日当たりの感染者数が突出している理由を何とするか。やはり「民度」ですか?

 

意地悪を言うつもりはないが、その原因を明らかにしない限り、感染の封じ込めは難しいと思う。そこで期待したいのが富岳だ。東アジアの国々との比較であれば、遺伝子・人種に由来する“ファクターX”があったとしても、国毎で大きな違いはないはずだ。各国の政策の内容、実施時期や規模等を富岳に入力し、何故日本だけがこのような状況に陥ったのか、是非分析してもらいたい。咳の飛沫の飛び散り方のシミュレーションよりも、よほど富岳の“ポテンシャル”を示すのにふさわしいテーマと思う(飛沫の解析が無駄だと言っているのでは決してないので悪しからず)。

 

これらの国の中には、徹底的にPCR検査を実施する国もあれば、必要以上のPCR検査は無意味だとして、感染者数が多いにもかかわらずPCR検査数は他国と比較して少ない国もある。海外からの入国者に対して、2週間の隔離を徹底している国もあれば、隔離どころか待機すら免除する国もある。これら政策の違いが、感染者数にどのように影響しているのかがわかれば、より効果的な施策を実行することが可能になるはずだ。

 

PCR検査数に関する統計学の専門家の説明は理解しているつもりだ。しかし、その一方で、自分がこれまでに培ってきた「常識」は、検査数を増やした方がいいのでは、と囁いているのも事実である。学問が導き出す理論が「常識」を否定するのか、或いは再び富岳が「常識」に軍配を上げるのか、興味があるところだ。