アラ還オヤジの備忘録

雑感や、その他諸々。

“ゾンビ”投信を売払った件


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素人投資家が憂う日銀のETF購入で、NISAが始まってから株を買い始めたといったが、株以外に投資信託も買っていた。こちらも財テク雑誌で「投資信託の積み立てもお薦め」などと書かれているので、小市民よろしく素直にその“アドバイス”に従ってきたのだが、先日、新聞を読んでいると「ゾンビ投信」という文字が目に留まった。

(何だ、これは)と思ってよく読んでみると、最近の激しい手数料競争の中でも古い投信には手数料が高く運用効率も悪いものも残っているそうで、それを「ゾンビ投信」と呼ぶらしい。記事の中で、“いい”投信と“わるい”投信の事例として、それぞれ紹介されていたのは「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」と「三菱UFJ インデックス225オープン」。「eMAXIS Slim国内株」は信託報酬が0.14% で、こちらは“安い”例。一方「三菱UFJ インデックス225」 は“高い”例で0.62%とのことで、こちらが所謂「ゾンビ」だ。

(なるほどね)などと思いながら、(はて、自分の持っている投信の信託報酬はどれくらいだろう?)と疑問が湧いた。何しろ、大して調べもせず、雑誌やネットで、「この投信がいいですよ」と載っているものを鵜吞みにして買っていたのだ。銘柄は「SMT グローバル株式インデックス・オープン」。早速、信託報酬を調べてみると、何と0.55%。(ほとんどゾンビと同じじゃないの)というのが、まず第一印象。己の不明を恥じつつ、次に考えたのは、(はて、これは、このまま持っていてもよいのか、それとも売ってしまうべきか)という疑問だった。(件の新聞記事には、証券会社への提言、というよりは“苦言”はあった一方、購入者へのアドバイスはなかった。)

まずはネットで「SMT グローバル株式インデックス・オープン」を保有している人が何か言っていないか調べてみる。すると、「手放したいが塩漬けにしている」というのが大方だった。投信を売るには手数料もかかるが、利益が出ていれば、それに対して当然税金も取られる。「SMT グローバル株式インデ」は、“世界の主要国の株式に分散投資”しているから、近頃の米国マーケットの好調につられて、設定来最高値水準になっている。普通に売れば、利益が出ている分、税金もたくさん取られてしまうのだ。

しかし、私の場合は少し事情が違う。そもそもNISAが前提で積み立てを始めたのだ。初期に買った分は、ロールオーバーせずに特定口座に移していたが、それでも、かなりの部分は今でもNISA口座にある。そうであれば、少なくともNISA口座分は売却しても税金が取られないのではないか。

そこで、さらにググってみたのだが、残念ながら「ゾンビ投信」の売却についてのコメントは見つけられなかった。さあ、どうするか。折しもこの年末のタイミングで、証券会社からは、「ロールオーバーするか、しないか、早く連絡して」との催促のメールが届いている。“決断”を先延ばしにする余裕はない(ちょっとオーバーだが…)。

結局、(“ゾンビ”なんぞを手元に置いておくのはアラカンの沽券にかかわる)という非科学的な判断で、NISA口座分は全て売却すると決めたのが3日前。そして今日、証券会社から売却注文約定の連絡があった。本当にこれでよかったのか、全く自信がないが、まずは一仕事終わったということで、安堵のため息が出た(全くの小心者である)。

売却で得た資金は、半分は、“ゾンビでない”今時の投信に再投資するつもりだ。しかし、残り半分は、暫く現金としてそのまま持っておこうと思う。米国マーケットの好調が、このままずっと継続するとは、ちょっと思えないからだ。

 

それにしても、“5年たったらロールオーバー”とか、日本のNISA特有の面倒な仕組みは何とかならないものか。NISAの見本となったのはイギリスのISAだが、こちらは1999年の導入時から、そもそも非課税期間に制限がなく(NISAは5年)、口座開設期間も当初10年の期限付きだったのが、導入9年目の2008年に撤廃された。このような制度の“使い勝手の良さ”の違いは、普及度にも表れていて、イギリスでは成人人口に占める利用者の割合が42.5%(一人当たりの利用額は約400万円)なのに対し、日本のそれはわずか11.4%(同約70万円)とのこと(金融庁「安定的な資産形成に向けた取組み(金融税制・金融リテラシー関連)」平成30年11月16日から引用)。

実は日本のNISAも2024年に制度改正があるのだが、こちらは“『二階建て』になる”とか、“口座開設可能期間が5年間延長される”とか、コマイ話ばかり、非課税期間は5年間のままな一方、ジュニアNISAは廃止になるとのこと。利用率を高めたいと考えるなら、イギリスを見習って非課税期間に“手当て”するのが最も効果的と思うのだが、今の政権与党にも、霞が関のお役人にもその気はないようだ。コロナを巡る一連の対応で、現政権への期待が失望に変わった今、野党にはコロナ以外の部分でも存在感を発揮してほしいところだ。