アラ還オヤジの備忘録

雑感や、その他諸々。

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ピアノのお稽古


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再就職しましたでカミングアウトした通り、この春まで、約一年弱、プー太郎をしていたのだが、最初のうちは、“一体どうやって毎日を過ごすか”が、結構問題だった。

定年したオヤジ達が毎日やることがなく、図書館のソファーを占領して昼寝をしている、などという話を耳にしたりしていたが、自分の年齢を考えれば“他人事ではない”と思っていたのだった。それが思いもよらず、突然無職になったのだから、たまらない。何の準備もしていないから、やることがないのだ。これがコロナ禍でなければ、それこそ“図書館”も選択肢に入ったかもしれないが、図書館はおろか、外出自体が憚られるのだから、おのずとできることが限られてくる、というか自宅で何かやるしかない。ここは腹を決めて、(定年後の予行演習のつもりで考えてみるか)と開き直った。

「ジタバタしないと決めたなら、何もやらずにのんびりテレビでも見ていればいいだろう」(なぜ“ジタバタしないと決めた”かは、再就職しましたを参照下さい)というクチもあろうが、テレビばかり見ているという訳にもいかないし、そもそも多少の運動もしなければ腹も減らない。腹が減らないとメシ(と酒)もうまくない、ということで、うまいメシを食べるためには背に腹は代えられない(?)と、室内でできる運動を始めることにした。まずは、朝9時55分から始まるHNKの「みんなの体操」。国会中継があるときは放映されないが、その時は録画したものを見ながらカミさんと一緒に5分間。あと、午後には、これもNHKで昨年春ごろに放映していた「趣味どきっ!みんなができる! 体幹バランス」を録画したものを30分ほど。

いずれもグーグルカレンダーと連携しているガラホが、時間になると「ピポパポ」と知らせてくれるので、(仕方ない、やるか)という感じで重い腰を上げる。(なぜガラホが「ピポパポ」言うかは、2年縛り、まだあるってよ。をご参照ください。)

そんな訳で、運動(と言えるほどモノでもないが…)を始めてみたのだが、結果、腹が減るようになったかというと、まあ、この程度の負荷では、大して腹が減るはずもない。ほかに何をするか、と考えて思いついたのがピアノの練習だった。実は昨年の2月から近所のピアノ教室に通うことにしていたのだが、ちょうどコロナの流行と重なり、2月に1回レッスンを受けた後しばらくは休校になってしまった。レッスンを受ける部屋も完全に密室(防音が必要なため)で、きっと教室側ではいろいろ対策を講じてくれているのだろうが、敢えてここでリスクを取る必要もなかろう、ということで、それきりで退会してしまったのだった。

自宅には、息子が子供の頃に使っていたピアノ、というか、ヤマハクラビノーバ(一応88鍵盤あります)がある。

なので、独力でやろうと思えばできないことはないのだが、まあ、自己流でやるよりは、最初はきちんと先生に習ったほうがよいだろうということで、教室に通うことに決めたのだ。しかし、こうなってしまっては、自力でやるより他にない。まずは教本選びから、と思って何をしたかというと、自宅のクラビノーバの隣に立てかけてある教本らしきものを物色することに(何しろ“プー”なのだから、できるだけ出費はおさえたい)。そこで出てきたのは、「はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン」( 上・下巻)。

 

まさに自分の今のレベルにはぴったりのタイトルだ。それにしても、こんなものがなぜウチにあるのか。息子のレッスン用の訳もない(ヤツがピアノを習っていたのは小学生までだ)。思いつくのは、クラビノーバを買ったときに、“おまけ”でついてきたのでは、ということくらいだが、まあ、そのあたりはあまり気にせずに、毎日夕食前に30分ほど、ピアノの前に座ることにした。

さて、結果、腹は減るようになったかというと、実はこれが結構、効果があった。何しろ全くの初心者、それも本を頼りにでは、文字通り“悪戦苦闘”である。楽譜を見ながら、どう指を動かすか、一生懸命考えるには、脳のエネルギー(ブドウ糖)消費も一気に進んでいるに違いない。夕飯のころにはちょうど良い塩梅で腹が減っているのだった。

それにしても、この教本、たまたま自宅にあったという理由で使い始めたのだが、それまでピアノの経験の全くないオヤジにはちょうどよい難易度で、お陰様で約一年かけて、上・下巻とも終了することが出来た。背表紙を見ると発行年は1993年、自分が使っているものは1998年印刷の15版とある。Amazonで売っているものは2006年発行とあるが、これは多分DVDを付録でつけだしたからか。出版から30年近く経ってもこうやって売られていて、Amanzonのレビューを見ても大方好意的なところを見ると、たまたまではあるが、良い教本に出会ったようだ。再就職もかなって、平日に腹を減らす算段に頭を悩ますこともなくなったが、今も週末にはピアノの練習は欠かさないようにしている。さて、次の教本は何にするか、思案中だが、次も“出費ゼロ”というわけにはいかないかな。