アラ還オヤジの備忘録

雑感や、その他諸々。

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

ワクチン打ったジジイ達は飲みたがっている


スポンサードリンク

先週のことだ。平日の昼の時間、久しぶりに自分のガラホが鳴った(着信音は“黒電話”)。最近は、メールやSNS(といってもLinkedInくらいだが)経由で連絡してくるケースが多いので、電話をかけてくるヤツは限られている。(平日のこんな時間に個人ケータイに電話をかけてくるのは…)と思って、ガラホのサブディスプレイを見てみると、案の定、昔の同僚のHからだ。

「おぅ、久しぶり」と、話を始め、先方の用件を聞く。中身は、彼の会社に応募してきた候補者についてのレファレンス取りだった。以前、ある会社で、私と候補者の在籍期間が重なっていることを目ざとく見つけて、連絡してきたのだが、生憎、接点のある人物ではなかった。「お役に立てず…」ということで電話を切ろうとすると、まだ何か話があるらしい。「実は…」と言って話し出したのは、何とワクチン接種のことだった。Hの住む街でも65歳以上へのワクチン接種が始まり、Hも予約が取れたとのこと。「全然、電話がつながらなくてさ、怒ってやったぜ。」と自慢気だ。Hの性格からすれば、その時の様子が目に浮かぶ。市の職員もご苦労なことだ。まあ、とにかくワクチンが打てるということで、「それはよかったな。」と話すと、すかさず帰ってきた言葉は「ワクチン打ったら飲みに行こうぜ。」う~ん、こちらとしても是非そうしたいところなのだが、「俺はまだ65前だから、暫くはワクチンの順番は回ってこないと思うよ。」と返事をすると、微妙な沈黙が。

Hとは結構長い付き合いで、気兼ねなく酒が飲める数少ない友人だ。この歳になると、立場の違いやら何やらで、酒を飲む相手選びにも結構気を遣う。仕事関係、特に同じ会社の中ではなおさらだ。そんな中、Hとは何故かウマがあった。会社を変わってからも、よく新橋や品川の港南界隈に繰り出したものだ。

それが、このコロナ禍だ。緊急事態宣言の狭間を狙って出かけられないこともなかったのだが、さすがにいい歳をしたオヤジ同士、リスクを冒してまで飲みに誘うことはお互い憚れた。

それがワクチンで状況が一変した。新型コロナの感染リスクがないのであれは、何に気兼ねすることがあるだろう。贔屓にしている居酒屋も、ランチでしのいでいるという話を風の便りで聞いていたが、ここは応援する意味でも真っ先に駆け付けなければ!

多分そんなつもりでHは私に電話してきたのだろう。ところが残念なことに、こちらはワクチン接種の対象外だ。Hの誘いに付き合うことも出来ず、「また、近いうちに。」と電話を切った。

それにしても、冷静に考えてみると、今の緊急事態宣言下では、どこも店を閉めているか、開いていても時短営業で、さらに酒類の提供はないのではないか。もし、自分が運よくワクチン接種を受けられても、「繰り出す」先がないことに気付いた。

テレビを見ていると、飲食業界の苦境を伝えるニュースを目にしない日はないほどだ。一方、ワクチン接種が済んだ高齢者の中には、Hのように飲みに行きたくてウズウズしている層も少なくないのではないか。であれば、ここは“ワクチン接種が済んだ高齢者限定”で、店を開けたり、さらには酒類の提供を許可してはどうだろう。こんなことを言うと、「なんて不謹慎な奴だ」とお𠮟りを受けそうだが、飲食業と“飲みたい”高齢者のWin-Win、もっと言えば、これ以上補助金を出したくない行政サイドも含めて、“売り手よし”、“買い手よし”、“世間よし”の“三方よし”のアイデアだと思うのだが。