アラ還オヤジの備忘録

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「イランはアラブ諸国ではありません」って、だったら一体どこなの?


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NHKのBS放送って、必要ですか?で「自分の場合、テレビをリアルタイムで見ることは、ほとんどない。ニュース番組以外は、ほぼ100%、事前に録画予約したものを見ている」と言っていたのだが、さすがに昨晩のオリンピック開会式は“生”で見た。

終わればいろいろな意見が出てくるが、概ね好意的な感想が多かったのではないか。個人的に高評価だったのはピクトグラム。実はカミさんの反応は散々だったのだが、やり直しの利かない一発勝負で、なおかつ舞踏等の演目とは違い、間違えれば誰の目から見ても一目瞭然というお題を与えられて、“中の人”のプレッシャーは半端なものではなかったろう。その分、無事やり終えたときの達成感も一際大きかったのではないか。

一方で気になったのは入場行進についてのNHKアナウンサーの訂正コメントだ。イラン入場の際にアラブ諸国についてのコメントをしたことについて、小一時間経ったあたりで「イランはアラブ諸国ではありません。」との訂正が入った。

さて、これを聞いた視聴者の多くはどう思っただろう。多分、こうではなかろうか?「イランはアラブ諸国ではありませんって、だったら一体どこなの?」

NHKのアナウンサーですら勘違いしてしまうほどなのだから、多くの日本人が「イランはアラブ諸国」と思っていても無理もない。日本人の感覚からすれば、顔立ちも着ているものも、アラブ諸国とさして違わないような気がする。

かく言う自分も、“イランはアラブ諸国”と言われても何の違和感も持たない“大勢派”だったのだが、「物語 中東の歴史」(牟田口 義郎著)の次の一節を読んで目から鱗が落ちた。

「イラン・イラク戦争が1350年前のアラブ・ペルシア戦争の再現ととらえられていることを思わせた。」

「イランはアラブ諸国」どころか、アラブ諸国は千年以上も前からイランの敵だったわけだ。それをオリンピック開催国の国営放送のアナウンサーに、あたかも敵方の一員にようにいわれたら、それはイランとしても黙ってはいられまい。

因みにこの本、新書という体裁もさることながら、飲み屋でたまたま隣り合ったオヤジの話を聞いているような軽妙な書きっぷりで、気楽に読める。イラン以外の国についてもウンチク満載だ。

さて、オリンピックもいよいよ本番スタートだ。日本選手の成績とコロナ感染状況の両睨みの日々がしばらく続きそうだ。