アラ還オヤジの備忘録

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郵便局が握る年賀状の未来


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Macで年賀状の宛名書きをしていた頃に書いた通り、Windowsに宗旨変えした後も、暫くは年賀状を書く時だけiMacを使っていたのだが、さすがにそんなやり方は長続きせず、Windowsで使える年賀状ソフトを物色することになった。

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しかし、その頃は、出す年賀状の枚数も以前の半分くらいで、そのためだけにソフトを購入するというのも無駄に思われ、いっそのことWordにExcelのデータを差し込み印刷するかなどとも思っていたところ、ネットで思わぬ優れモノを見つけたのだった。

名前は「はがきデザインキット」、提供元は何と郵便局で、無料でWindows用のアプリがダウンロードできるという。早速試してみると、その年の干支にちなんだデザインを含め、いろいろなひな形から好きな絵柄が選べる。宛名面も、データを入力すれば、年賀はがきのフォーマットに合わせて印刷ができる。FileMakerのような汎用性はないものの、必要十分な機能はそろっており、“これいい!”と、使い始めることにしたのだ。

その後も、「はがきデザインキット」は毎年アップデートされ、絵柄のバリエーションを増やしながら提供され続けた。郵政民営化とハンコでは、郵便局に毒づいたが、はがきデザインキットについては内心、“やるじゃないの、郵便局”と思っていたのだ。

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自分の息子の例を挙げるまでもなく、年賀状離れが進む中、それを少しでも食い止めるには、手間をかけずに年賀状が出せるようなツールを提供するのはアリだろう。今使っているパソコンは、2012年に購入したが、その中に保存されたデータをみると、すでにその年からはがきデザインキットを使用しているのが判る。もしかするとこのパソコンの購入以前から使っていた可能性もあるが、少なくとも2021年分の年賀状まで、足掛け10年間ははがきデザインキットのお世話になっていた計算だ。

ところが、である。2021年の暮れに異変が起きた。郵便局がはがきデザインキットのインストール版の提供を終了したというのだ。代わりに用意されたのはウェブ版。自分としては、インストール版だろうがウェブ版だろうが、同じように使えれば文句はない。早速、ウェブ版を試してみた。宛名は、過去にインストール版で使っていた住所録のデータをCSVファイルにすれば、はがき印刷の書式に合わせたPDFファイルに書き出してくれるというので、その通りにやってみたところ、エラーメッセージのオンパレードである。自分の場合は、エラーメッセージを一つずつ潰して、何とかPDFファイルの書き出しまでたどり着いたが、結局“一日仕事”になってしまった。はたしてどれほどの人がそこまでの忍耐力があるのか。もしや、どなたか自分と同じ苦労を共有しているのではと、“はがきデザインキット”でググってみると案の定、今回のインストール版の提供終了に関して、ブーイングの嵐である。

こんなことを書くと、「そもそも無料で提供されていたものなのだから、文句を言う方がおかしい」という意見をあろう。確かにその通り。自分も、郵便局にインストール版を復活させろという気は毛頭ない。しかし一方で、今回の件で、“年賀状は、もういいかな”と思ったのも事実だ。還暦も超えたし、この際、諸先輩方に習って、年賀状のあいさつは今年限りとするか…。

因みにこのウェブ版、通信面、宛名面共に、印刷も受け付けている。しかし、郵便局に両面を印刷してもらって投函できる状態になったとしても、印刷された年賀はがきを郵便局が出してくれるわけではない(印刷物は、本人に送られてくる)。さらに言えば、印刷代金もなかなかのお値段だ。要は、コスパの悪い印刷業者に年賀状の印刷を依頼したのと何ら変わらないということだ。(巷の印刷業者でも、年賀状のデザインなど、いくらでもサンプルがあるし、宛名もExcelでデータを提供すれば差し込み印刷してくれる。)

はてさて、郵便局は、今後も年賀状を買ってほしいと思っているのか、いないのか。或いは年賀状は“オワコン”と見なして、切り捨てにかかっているのか。一度お考えを聞いてみたいものです。