アラ還オヤジの備忘録

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石炭で走る軽EVはエコか?


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昨日の朝刊(最近、この書き出しが多い)。1面に「100万円台で買える軽EV」という見出し。見出しと一緒に出ていた車の写真を見たカミさんが一言、「カッコ悪いわね」。しかし、自分の第一印象は(これは売れるな)だった。

まず、価格。これまでEVと言えば補助金込みでも結局走り出し最低400万円は必要だったのではないか。ところが今回は、記事によれば「100万円台前半で買える」とある。この値段なら、普通のガソリン車とほぼほぼ同じ、むしろ安いくらいではないか。EVに興味があってもそのプライスゆえに敬遠していた消費者には、十二分に訴求力がある。因みに走行距離はフル充電で180キロとのこと。いろんな見方があると思うが、自分のような使い方(ほぼ街乗り)なら、何の問題もない。

では、自分が買い替えを検討するかというと、100%ないと断言できる。今、乗っている車は今年車検だから購入してからちょうど5年。一昔前に流行った「ダウンサイジングターボ」というやつで、もちろんEVどころか、ハイブリッドですらないのだが、全長4メートルにも満たない小さな車だから、燃費も特別よいというほどでもないが、世間一般の基準からすれば、まあまあの部類だろう。ディーラーからは「そろそろ買い替えを」と言われたりもするが、まだ暫くは乗り続けるつもりだ。

そんなわけで、“売れそう”と言っておきながら、自分にはそのつもりは全くないのだが、EVに今一つ食指が動かないのは、“発電”の問題もある。

いろんな人がいろんなところで同じようなことを言っているのでここで詳しく統計資料を紐解くつもりはないが、ちょっとググってみただけで「日本の2020年度のエネルギー供給は化石燃料による火力発電が76.3%を、内訳は石油が6.3%、石炭が31.0%、LNG液化天然ガス)が39.0%」などという数字がすぐに出てくる。honbun2020fykaku.pdf (meti.go.jp)

ざっくり8割弱が火力発電、石炭が3割を超える状況で、石炭・石油を燃やしてできた電力で走るEVを、どうして“エコ”などと言えようか。ガソリンエンジンは、その発明から今に至る歴史の中で、自動車メーカーが燃費向上にしのぎを削ってきたのだ。その効率性に火力発電所が太刀打ちできるはずがないというのは、浅はかな素人考えだろうか。

こういう話の流れになると必ず出てくる議論は「原発再稼働」と「再生可能エネルギー」だが、自分が「原発ゼロ」派であることは合流新党と原子力研究で述べた通り。

sugo-mane.hatenablog.com

一方、「再生可能エネルギー」は、ちょっと前までは日本がその分野で進んでいるかのような論調もあったが、数字を見れば、今は欧米はおろか、すでに中国にも大きく水をあけられているのは明らかだ。エネルギー産業の育成は、企業の力だけではおのずと限界がある。国のリーダーシップは不可欠なはずなのだが、どうしてこうなってしまったのか、政府与党と霞ヶ関のお役人に、是非見解をお伺いしたいところです。