アラ還オヤジの備忘録

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尼崎USBメモリ紛失事件で感じた日本の凋落


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今日の朝刊。紛失していた尼崎市の全市民46万人分の個人情報の入ったUSBメモリが見つかったとの記事が社会面に。地元の警察は「何者かがかばん内を探った可能性は低く社員が置き忘れてそのままになっていたとみている」ということで、尼崎市民の皆さんは、まずは一安心というところだろう。

一方、驚かされたのは、USBメモリを紛失した社員が協力会社だったシステム大手の社長の記者会見。「甘えがあった」と謝罪したとのことだが、そういう問題ではないだろう。そもそも市民の個人情報を、仕事で使っているコンピュータからUSBメモリに移せるということ自体、あり得ない。今どき多くのグローバル企業では、自社の情報ですらUSBメモリに移すことを禁止している、というかUSBメモリの使用そのものを問題視しているのではなかろうか。少なくとも自分が今、勤めている会社では、つい2〜3週間前にも情報漏洩に関する「リフレッシュトレーニング」なるものを受講するようメールが飛んできた。一年ほど前にも同様のトレーニングを受けたのだが、「そろそろ忘れているに違いないので、もう一度受けなさい」というわけだ。Webベースではあるが、コンテンツは盛りだくさんで、ビデオ視聴や理解度を試すクイズを含め、ほぼほぼ一時間ほどのコース(因みに中身は全て英語です)なのだが、その一丁目一番地が「USBメモリは使用禁止」なのだ。それはそうだろう。あんな小さいデバイスに機密情報なんぞ保存されて外に持ち出されたら、そのあとどうなるかわかったものではない。

別にウチの会社が特別な訳でもない。ネルソン・マンデラとポケトークで、“最初に就職した会社を飛び出し、ベンチャー外資を転々とした”と書いた通り、これまで幾つかの外資で働いてきたが、情報漏洩防止についてはどこも熱心で、似たようなトレーニング受講が必須だった。

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そんな環境が長かった身からすると、今回の事件には、開いた口が塞がらない、というか「これで大丈夫か、ジャパン?」というのが実感だ。企業情報ですらあれほどの注意を払うのが「世界の常識」のなか、行政が扱う個人情報をUSBメモリで持ち出したことについて、「甘え」の一言で済ませて一件落着とは。

今回の件もそうだが、最近特に、「遅れている日本」を感じることが多い。今更だが、大臣が旗を振ってもfax一つ廃止できない。できない理由をいろんな立場の人たちが、あれやこれや説明するが、「それって、日本に限ったことですか?」と聞き返さずにはいられないようなものがほとんどだ。こんな日本の実態を海外の同僚に話すと、「何だ、そりゃ」という反応をするのは、何も先進諸国、G7加盟国の人間ばかりではない。アジアの連中も似たようなものだ。

ついこの間までNHK地上波で放送していたドラマ「17才の帝国」で言われていた「サンセット・ジャパン」の根っこは、まさにこんなところにあるのでは、と感じずにはいられないのだ。