帰りの飛行時間は3時間20分。偏西風に乗って(?)、行きよりも20分短い。行きの便で最後まで見ることの出来なかった映画も、残りの部分を無事鑑賞し終わり、他の映画も見ようかな、などと思って邦画を見始めたが、程なく着陸のためイヤホンを耳から外すように言われた。
行きもそうだったのだが、着陸体制に入った時点でイヤホンを耳から外すように言われたのは今回使用したエバー航空が初めてだ。大きなヘッドホンをつけているならいざ知らず、イヤホンまで外すようにというのは、このコロナ禍で航空会社全般の指針が変わったのか、それともエバー航空特有なのか。着陸体制に入ってシートのリクライニングを元に戻すタイミングから、実際に着陸する迄は結構な時間がある。その間、映画の音声が聞けないというのは、映画を楽しみたい乗客に取ってはなかなか痛いところだ。
さて、予定では午後7時40分着陸だったが、実際の着陸時間は10分早い午後7時30分。しかし、地上の移動にほぼ10分を要し、ボーディングブリッジに横付けされたのは結局午後7時40分だった。
帰りの成田空港からの移動も行きと同じくJRを考えていた。しかし、この時間になると千葉に停車する成田エクスプレスはなく、選択肢は在来線しかない。7時40分にゲートに飛行機が到着した時点で、次の成田空港発の列車は午後8時11分発(!)。いくらなんでも無理では、と思われるかもしれないが、これに乗れれば千葉には午後8時52分着、逃すと午後9時22分着となってしまう。何とか午後8時11分発に乗れないか、急ぎ足で空港内を移動する。
台湾入国時と同じく、検疫はそのまま通過、入国審査も顔認証ゲートを通過する。ふと横を見ると「スタンプを希望される方は職員にお伝えください」との文字が目に入る。これまでも仕事で散々海外に行ってきたので、“記念”のスタンプは不要、時間が勿体無いのでそのまま手荷物受け取りのエリアに進む。
行きと同じく預けている手荷物はない。そのまま税関の検査台へ。帰りの飛行機でもらった申告書は機内で記入済み。そもそも申告するものは何もない。台湾入国時は手書きで出す書類は一切なかったが、日本に戻るときには、昔と変わらず申告するものがあろうがなかろうが一律に申告書が必要というのは、システムとしてちょっとどうかな、とも思ったりしたが、今はとにかく早く通過することだけを考えて、空いているところを狙って並ぶ。前には外国人と思しき女性が一人並んでいるだけで、すぐに自分の番に。特に何を聞かれることもなく、無罪放免(?)となった。
さて、空港のロビーに出たらエスカレーターに乗って地下に移動、JRの改札を目指す。改札はモバイルsuicaで通過、構内のエスカレーターに乗ってホーム階に降りると、時刻は午後8時ちょうど。飛行機を降りてから20分足らずでここまで来た計算だ。発車まではまだ10分ほどあるが、この駅始発の電車はすでに入線していた。さすがに疲れているので、今回はグリーン車を利用することに。モバイルsuicaでグリーン券を購入(お値段は750円)し、座席上のパネルにタッチする。自分が乗車した時点で自分以外にグリーン車に乗客はいなかった。
電車は時刻通りに発車。途中、成田駅で外国人夫婦と思しき自分と同じくらいの年齢の男女二人組の乗客が乗ってきた。(グリーン券は買っているのかな)などと思っていると、程なくグリーンアテンダントがやってきたのだが、何やら件の外国人客と揉めている。
聞き耳を立てていたわけではないが、こういうとき、外国人は結構な大声で話すので、内容が聞こえてきた。要は成田エクスプレスと間違えて在来線に乗ってしまった(因みに成田エクスプレスのチケットはグリーン席)が、駅にいた職員に確認したら、このチケットで在来線のグリーン席に乗って行っていいと言われた、ということらしい。
これを聞いたグリーンアテンダントの反応はといえば、まずは驚き、次に困惑という感じ。成田エクスプレスのグリーン席に比べれば、在来線のグリーン車は随分と安価ではあるものの、だからといって“違う”切符であることはどうにもならない。グリーンアテンダントとしては、自らの職責を果たすためにはグリーン券の購入を求める以外に道はなく、最終的には外国人が折れて渋々チケット購入となった。
これを読んで、(成田エクスプレスのグリーン券で在来線のグリーン車に乗れるというのはさすがに“無理スジ”で、その外国人が嘘を言っているのでは?)、と思われた方もいると思うが、自分の感想は違った。その外国人の様子から、というのもあるが、実は、「JRの駅員が乗客に何か尋ねられたとき、早く自分の前から乗客を“去らせたい”ために、いい加減なことを言って説明責任を放棄する」というのを、つい最近自分自身が体験したからだった(これについては、また、改めて書こうと思う)。それにしても、折角の日本旅行のスタート、しかも成田エクスプレスのグリーン席まで奮発したのに、いきなり嫌な目にあった二人には、日本人としてなんとなく申し訳ない気持ちになったのだった。
さて、話を自分のことに戻すと、列車は予定通り千葉に到着、そこからはタクシーで自宅に向かい、ウチに着いたのは午後9時を少し回ったあたり。支払いはGOは使わず楽天edyでスムーズに済ました。こうして2泊3日の旅程を何とか無事終えたのだった。
久しぶりの海外出張(帰国~自宅までの移動編)
スポンサードリンク