今年二度目の台湾(悠遊カード初購入)で書いた通り、今回の出張では、初めて悠遊カードを購入したのだが、
実は仕事で台北市内を移動する際には、訪問先が地下鉄の駅からそこそこ離れていたということもあって、MRTは使わず、ほとんどタクシーを利用した。帰国後の経費精算時に確認したら、計5回の利用だった。ネット情報では、タクシーでも悠遊カードが使えるとのことだったのだが、そもそもチャージ金額が100元では、あっという間に使い切ってしまうということもあり、すべて現金で支払った。
金額だが、ざっくり10分程度の移動で200元前後。日本円で千円くらいで、結構安い印象。因みにメーターは5元単位で上がって行くので、お釣りも5元硬貨か10元硬貨。1元硬貨がじゃらじゃら貯まるということはない。
意外なところで困ったのは、思いの外、英語が通じないということ。ちょっとした英語を話す、というレベルでも5人のドライバーのうち、できるのは2人ぐらいだった。。現金精算なのでレシートが必要になるのだが、5回の利用で”receipt”という言葉は一度も通じなかった(何とか身振り、手振りで事なきを得た)。
さて、そんな訳でタクシーを“駆使”してなんとか仕事の方も片付き、最終日は取引先からタクシーで空港に向かうことになったのだが、ここで思わぬ落とし穴が待っていた。
今回の出張は、自分以外にもう一人同行者がいて、そちらは松山空港から羽田へ向かう旅程だった。台北には、桃園と松山の2つの空港があり、松山空港は規模は小さいもののロケーションは台北市街にぐっと近く便利だ。一方自分は来たとき同様桃園空港から成田への移動。そのため、自分は台北駅で降ろしてもらい、そこから空港MRTで桃園空港へ移動、もう一人はそのまま松山空港までタクシーで移動しようということになった。結構ギリギリの時間までビジネスの予定を詰め込んだので、タクシーで移動してもそれほど時間的に余裕はない。
さて、訪問先の会社が呼んでくれたタクシーに乗り、台北駅経由で松山空港へ、というルートを伝えると、ドライバーは何か訝しげな様子。最初は、やはり英語が通じないのか、と思って、google翻訳にもご登場頂いた(因みに中国語の言語設定は”簡体字”と”繁体字”の二種類があるが、台湾は”繁体字”だそうです)のだが、やはり駄目。(それは無理)みたいなことを中国語でまくし立てている(ように感じた)。同行者は「しかたがないのでこのまま松山空港に行こう」というのだが、松山空港から桃園空港までの所要時間をGoogleマップに聞いてみると、それでは自分のフライトに間に合うかどうか微妙な時間だ。
(今日は日本に戻れないかも...)という不安が頭をよぎる中、何とかならないか、年寄りの頭を急回転させて出てきた答えは、今、乗っているタクシーが松山空港までに使うルートの途中で、MRTの駅に近いところで降ろしてもらうというアイデア。Googleマップで現在地から松山空港までのルートを検索し、さらにルート上でMRTの駅のそばを通らないか、Googleマップとにらめっこ。しばらくしてスマホの画面上にMRTの駅を見つけて(ここだ!)と意を決してドライバーに「ここで降ろして!」と伝える。
さて、なんとかタクシーから"開放"されて、ここからは自力で桃園空港に向かう。ところが!こんなときに限ってGoogleマップからは「GPSの精度が下がっています」という非情なメッセージが。これでは自分が見つけたMRTの駅がどちらの方向なのかわからない。万事休すか、と思ったものの、Googleマップには地図が表示されたままになっている。辺りに表示されている道路標識を頼りに(多分こちらに違いない)と10分ほど辺りを移動して、ようやくMRTの駅の標識を見つけたときの安堵感と言ったら!
因みにたどり着いたのは行天宮駅。中和新蘆線の駅だ。ここから台北駅に行くには、南勢角方面行きに乗って二駅目の忠孝新生駅で板南線に乗り換え、頂埔方面に乗って二駅目が台北駅だ。
こう書くと簡単そうだが、何しろ時間が迫っていて、間違って反対方向の電車にでも乗ったら即"game over"。注意深く何度も確認して、何とか無事台北駅について、ようやくホッとした。因みに悠遊カードを持っていたので、運賃が幾らか、とか、そもそも切符を買う手間も省けて精神的にはだいぶ助かった(行天宮から台北までの運賃は20元、というか、ほとんどの区間の運賃が20元に設定されているようだ)。
ここまで来れば、あとは勝手知ったる(というほどでもないが)ルート。MRT台北駅で悠遊カードに100元チャージする余裕も出てきた。因みに事前情報ではMRTの駅に設置されている悠遊カードのチャージ機には日本語を含め複数の言語に対応しているものがあるということだったが、台北駅では見つけられず、中国語表記の機械を使ったが、特に難しいところもなくチャージすることができた。
あとは空港MRTの台北駅に徒歩で向かい、今度は悠遊カードを使って改札を通り、桃園空港行きの快速に乗車。搭乗時間の1時間以上前に出国ゲートにたどり着くことができたのだった。
因みに件のタクシー、中国語で何をまくし立てていたのか、帰国後に同僚にも聞いてみたところ、取引先がUberを使ってタクシーを呼んでいたので、事前に料金が決まっており、台北駅を経由する“遠回り”はできないということではないか、というところに落ちついた。
そんな訳で、最後の最後にとんだハプニングがあったものの、何とか予定のフライトに乗ることができ、無事帰国することができたのだった。