さっき、テレビをつけたら、今日の東京都の新規感染者数は178人で、昨年11月24日(188人)以来、約3ヶ月ぶりに200人を下回ったとのこと。
減少傾向が続いているのは、良い兆候だが、これが緊急事態宣言を早期に解除してよいというサインなのか、或いは、解除予定の3月7日以降もしばらく宣言を継続しないと、今度は“第四波”が来るかもしれないとか、専門家の間でも意見が分かれているらしい。
以前、千葉市“入院調整中”に関する一考察で、「“入院調整中”が解消されない限り、医療現場の状況は変わらないと思う。」と書いたが、東京都の今の状況はどうなのだろうか?因みに千葉市はどうかというと、昨日(2月21日)付の“入院調整中”の患者数は145。1月24日に記録した997に比べれば、だいぶ減少してきてはいるが、直近10日間は100から200の間を行ったり来たりしている状況で、“下げ止まり”の観を呈している。前にも言った通り、緊急事態宣言が発令された最大の理由が医療現場のひっ迫であるのなら、“入院調整中”の数がこの状況のままでは宣言解除は難しいのでは、というのが自分の考えだ。
ところで、実は、新規感染者数とは別に、気になっている数字がある。それは、千葉市のウェブサイトで公表されている死亡者の発生状況だ。昨日までの千葉市の死亡者数は合計47人。1例目の死亡例が発生した昨年4月17日以降、10例目、20例目、30例目、そして40例目まで、10例毎の発生日と、それに要した日数を以下にまとめてみた。
発生日 |
10例増加するのに要した日数 |
|
1例目 |
2020年4月17日 |
─ |
10例目 |
2020年12月7日 |
234日 |
20例目 |
2021年1月21日 |
45日 |
30例目 |
2021年2月11日 |
21日 |
40例目 |
2021年2月16日 |
5日 |
10例目に到達するのに約八か月(234日)を要したのに対し、20例目までは45日、30例目までは21日、そして40例目までは、わずか5日だ。
千葉市のサイトでは、「日々の感染者数に一喜一憂しないよう、一週間の傾向をしっかりとご確認ください。」(サイト上の記載)とのことで、週報というのが公開されているが、それによれば、千葉市内で最も感染者数が多かった週は、確定日ベースで1月4日から10日の週(感染者数581)。その後は、週を追うごとに減少し、直近の2月8日から14日の週は、感染数は120だ。にもかかわらず、感染者数が減少に転じて既に一ヶ月以上が経過した2月11日から16日の間に、これまでにないほどの死亡例が報告されているのだ。この、“感染者数減少 vs. 死亡例激増”という状況を、一体どう解釈すればよいのだろうか。
素人の自分が思うに、まずは次の二つの原因が考えられるのではないか。
- ウイルスの悪性度が上がり、死亡率が高くなった。
- 以前は救命できていた重症度の患者が救命できなくなった。
千葉市以外の都市がどのような状況なのかわからないが、千葉市に特段の特殊要因があるのでなければ、死亡者数の推移は、他の地域も似たような状況なのではないか(もし、千葉市が特殊なのであれば、それはそれで千葉市にとっては大問題だが…)。であれば、緊急事態宣言の解除の前に、まずは、このような状況に対する原因分析をする必要があるのではなかろうか。自分が挙げた二つの原因のうち、もし、後者だとしたら、感染者数が減っているのもかかわらず、医療現場のひっ迫度は改善されているどころか、さらに悪化している可能性すらある。東京都の新規感染者数が3ヶ月ぶりに200人を下回ったくらいでは、ジジイは全く安心できないのだ。