アラ還オヤジの備忘録

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首相辞任とピーターの法則


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この週末の話題は何と言っても首相の総裁選不出馬~辞任だろう。今日が閉会式となったパラリンピックのニュースも霞むほどだ。

それにしても、政府与党が首相を交代させると判断するのに、どうしてこれほどの時間が必要だったのか。

ロックダウンと「リーダーシップ」で、「もし政府与党に自浄作用があるのであれば、直ちにトップを変える手立てを考えるべきではないか。」と書いたのは昨年12月のこと。

sugo-mane.hatenablog.com

普通に“人を見る目”があれば、現首相が“器”でないことは、その頃にはすでに明らかだったはずだ。こんなことを書くと、「お前は野党支持者で、初めから色眼鏡で見ていたのだろう。」というかたもおられようが、9月に合流新党と原子力研究で「決められた手順に則った民主的な方法で選出された日本の新しいトップに対して、国内はもとより、外交においても活躍してほしいと期待するのは、日本人として当然のことだろう。」と書いた通り、自分も現首相に対しては、それなりに期待をしていた国民の一人だったのだ。

sugo-mane.hatenablog.com

それにしても、あの官房長官時代の「切れ者」然とした存在感は一体何だったのか。会社の同僚の一人は「官房長官時代の首相は、実は結構好きだった。」と言っていた。私も、「好き」というのとは違うが、マスコミを手玉に取って、物事をとっとと前に進めている様子を見て、なかなかのやり手だな、などと思っていたのだ。

そんな彼を見ていて思い出すのは、アンディ・グローブ著「HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)」の中の一節だ。

優れた仕事をした人は昇進させられるが・・・・・・・彼は無能なレベルに達するまで昇進し続け、そのレベルにとどまる。

われわれは「無能」のレベルに達するまで昇進を続けさせる以外に実は方法がないのである。

アンディ・グローブは経営者(インテルの元CEOだ)であって、政治家ではない。彼のこの言葉は企業における報酬体系について述べている件(くだり)からの引用だ。このような考え方を、彼は「ピーターの法則」として紹介している。

官房長官として有能だった彼が、首相に“昇進”した結果、「ピーターの法則」によって無能になってしまったとしたら、そのような「人事」は国としては悲劇というほかない。未知のウイルス感染症パンデミック下においてはなおさらだ。そんな“悲劇”をほぼ一年間放置していた政府与党への国民の信頼は完全に地に落ちているのは、首相の支持率から見ても明らかだ。総裁選で“次”が誰になろうと、“どうせ同じ穴の狢(むじな)”と思っているのは私だけではあるまい。

話は若干ずれるが、ピーターの法則といえば、ズバリ、書名が「ピーターの法則」という書籍がある。

こちらの本は、最近ネットでやらかしてしまった自称メンタリスト(“メンタリスト”ってなんだ?)”が紹介していたとのことで、そこそこ売れているらしいが、「ピーターの法則」そのものを詳しく知りたいというのであれば、こちらを紐解くのもアリだろう。ただ、自分としては、法則そのものに深い興味はないので、アンディ・グローブの著書で十分だ。

さて、話を戻そう。昇進の結果、部下が無能になってしまった時、マネージャーはどうするべきなのか。アンディ・グローブの回答はシンプルだ。

解決方法は“リサイクル”することである。昇進させられる前によくできた仕事にもどせばよい。

しかし、こうも言っている。

普通、もう一度後退して昔の仕事をするように勧められることはなく、会社を辞めざるを得なくなる。「辞めさせたほうが本人のためになる」という表現で、それは正当化される。

彼を昇進させた“マネージャー”が幹事長かどうかは知らないが、この先どのような「人事」が行われるか、“もう一度後退して昔の仕事をする”イコール官房長官に戻る、などということが起きれば、それはそれでかなりのインパクトがありそうだ。「そんな馬鹿な」と思われかたがほとんどだと思うが、明日がどうなるかわからないのが政治の世界、暫くは“take a close look”でいようと思う。