アラ還オヤジの備忘録

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Referral採用に”アメ”は必要か?


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あなたの会社では、”Referral採用(リファラル採用)は行っていますか?

 

そもそも「”Referral採用”って、何よ?」という方もいると思うので、簡単に説明すると、社員から、知り合いや友達を紹介・推薦してもらい、選考をする採用手法のことだ。

 

以前、”中途採用面接のジレンマ”でも触れた通り、候補者から提出されたCV(curriculum vitae、日本語では職務経歴書にあたる)と1時間程度のインタビューで、その候補者が採用に足る人物か否かを判断するのは至難の業だ。一方、Referralであれば、その候補者のことをよく知る内部の人間が”推薦”するわけだから、選考基準にマッチした人物である可能性は格段に高くなると言えよう。そんなことから、最近では”Referral”を人材採用の最有力手段として捉えている会社も多いと聞く。

 

さて、私がこれまで勤めてきた会社の中でも、いくつかはReferral採用に非常に熱心だった。だが、いずれの会社も同じようなジレンマに陥った。

Referral採用を推進しようということになれば、社員の協力は不可欠だ。はじめのうちは、社員たちは「この会社はいい会社なので、自分の友達にも紹介したい」という純粋な気持ちで、知り合いを紹介してくれる。しかし、しばらくすると、会社側が”もっと”知り合いを紹介してほしい、と考えるようになる。するとどうなるか。会社側のほうから”知り合いを紹介してくれた社員には、報酬を出す”と言い出すのだ。しばらくは、社員たちも、この、会社からの提案に好意的な反応を示す。しかし、そのうち、社員達は”やらされている”という感じを抱くようになる。報酬が出たことで、友達を紹介することが、”仕事”になってしまうのだ。そして、Referral経由の候補者数に思うような増加がみられないどころか減少に転じすらする。こうなった時、会社側が取る次の一手は、だいたいが”報酬の増額”だ。この手は、一時的には有効なケースが多い。しかし、そのうち、最初の時と同じ経路を辿る。すると、会社は、さらなる増額を提案して…。

 

私が所属したある会社では、米国本社から鳴り物入りで派遣されてきたアメリカ人女性VIPがReferral採用に非常に熱心で、社員への報酬額を、どんどん上げていった。最後には、海外航空券プレゼントという大盤振る舞いにまで至ったのだが、残念ながら思うような成果は得られなかったと記憶している。このような、会社からのあからさまな”アメ”につられる社員は、だんだん限られてくるようになった。私と言えば、「あんな無駄なことに回す予算があるなら、社員のモチベーションを上げるのに、もっと有効な使い道があるのに」という確信があったのだが、私を含め、日本人社員は、ただただ彼女の言うことに従う他なかった。(何しろ相手は本社のVIPだ。)

一方、私には、なぜ、(それは無駄だ)という確信があったのか。実は、私はその時すでに、ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」(原題:Drive、訳:大前研一)を読了していたのだった。

もし、彼女が本書で述べられる知見のごく一部でも学んでいれば、あのような無駄なことはしなかっただろう。原著は海外でもベストセラーだと聞くが、海外のビジネスレディは、読書はあまりお好きではないのだろうか?

 

まあ、そんなことはさておき、チームを率いていくリーダーにとって、メンバーのモチベーションを上げるスキルは必須と言っていい。本書は、その方法について、様々な実例を元に、具体的に提案している。興味のあるかたは、是非ご一読頂けたらと思う。