アラ還オヤジの備忘録

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クラシックコンサートとSNS


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以前、5G対応ガラホはかなわぬ夢かで、自分が今もガラホを使い続けているとお話した。“自分の携帯の使い方では、通話、キャリアメール、ショートメールがあれば事足りる”と説明したが、要はSNSとも縁遠いということだ。FacebookもLINEも使っていない。実は手持ちのガラホにはLINEのアプリはデフォルトでインストールされていて、使おうと思えば使えないこともないのだが(一応アカウントも持っている)、そもそもLINEでの"pushy"なコミュニケーションの在り様が自分向きとは思えないこともあり、「スマホを持っていない」ということが、LINEをやらない口実にもなっている。

そんななかで、唯一使っているSNSツイッターなのだが、使い始めた理由は“災害時に繋がりやすい”ということだった。2011年の震災時、電話はおろか、電子メール(久しぶりにこの単語を使った気がする)や携帯のキャリアメールも、軒並み連絡不能になった。そんな中、SNSは比較的つながりやすかったという話を後で聞いて、(それなら念のために入れておくか)ということで、始めたのがツイッターだったのだ。

しかし、使い始めたのがそんな理由だから、フォローしているアカウントも限られている(“緊急時の連絡”ということであれば、最低限、家族のアカウントがわかっていれば用が足りる)のだが、そんな数少ないアカウントの中に、新日本フィルハーモニーのアカウントがある。

 

オーケストラのアカウントをフォローして、どんなメリットがあるのか、といぶかる方もいそうだが、コンサート情報等をタイムリーに発信してくれるので、結構重宝している。実は昨年末に、その重要性を認識させられる出来事があった。

新日フィルは、例年大晦日の晩にジルベスターコンサートを開催している。昨年もコロナ禍のなか、対策を取ったうえで開催されることがアナウンスされていた。自分は年末年始は寝正月を決め込んでいる方なので、これまでこのジルベスターコンサートに足を運んだことはないが、楽しみしていた方も多かっただろう。それが、開催三日前の12月28日に、指揮者の宮川彬良氏を含め、出演予定者数人のコロナ感染が明らかになり、結果、コンサートは中止を余儀なくされたのだった。

既に述べた通り、自分はコンサートに出向く予定もなく、当然チケットも持っていなかったのだが、この“公演中止”の情報をツイッターで見たとき、(この情報を得られず、三日後の当日に、コンサートホールまで出かけてしまう客が結構いるのではないか)と思ったのだった。そもそも、クラシックコンサートのオーディエンスというのは、それなりに年齢層が高そうに思える。実際クラシックのコンサート会場に行っても、アラ還の自分より年上と思われる方々が多い。そんな年齢層の皆さんが、ツイッターで発信された公演中止の案内をタイムリーに見ているとは、想像し難い。もちろん主催者側はツイッター以外のSNSや、さらにはSNS以外のチャンネルを通してチケット購入者全員への周知を試みたに違いないが、現実問題としては、わずか2~3日で、すべてのチケット購入者にアクセスするのは難しかったのではなかろうか。主催者側は大変なご苦労だったことは想像に難くない。

 

話は変わるが、昨今は、住民への連絡や生活情報の提供について、SNSを活用している地方自治体も多い。その一方で、それまで用いられていた紙媒体等の情報提供については、“合理化”の名のもとに、発行頻度の減少や体裁の簡素化が進み、さらにはSNSを通してでしかアクセスできない情報すら出てきている状況だ。そんな“情報の電子化”の流れの中では、SNSの使い方も含め、ITリテラシーの不足は、それこそ“命取り”になりかねない。

SNSの活用は、勿論良いことだし、推進すべきことだと思うが、それと同時に、そのような世の中の進歩に乗り切れていない世代に馴染みのある情報チャンネルについても、継続的な改善と存続への配慮をお願いしたいものだ。